気功断食(郭氏総合調整還流工程)について

断食にも様々な理論や方法があるかと思います。3日間以上水以外何も取らない本断食から半日断食、酵素やジュースを飲んだりカロリー制限食を摂取する方法など少し調べるだけでもたくさんあります。当然断食中の過ごし方や、断食前の減食や回復食などについてもバリエーションは様々です。

今回はその中でも、一般的な断食からは一線を画す、中医師である郭官昇先生の指導の「気功断食」を経験してきました。北海道の響きの杜クリニック院長である西谷雅史先生が主催されました。

気功断食は、元々服氣辟谷といって”氣を吸収して食を断つ”という道教の修行法であったようです。現在では郭先生により独創された「郭氏総合調整還流工程」として受け継がれています。そのため一般の断食とはまったく異なる考え方で、独特なツボ押しと脊柱の調整により人体の中で滞った経絡を疎通し、退化した氣の吸収能力を回復させ、エネルギーの保たれた安全な節食を実現するそうです。

郭先生は48年間断食を指導し、世界40か国で30年余りの臨床経験があり、腸毒と断食循環を40年以上研究されている断食のスペシャリスト。「腸毒は万病の元」と、驚くべきは「人体の窒素固定」という仮説を提唱されています。「断食循環による2型糖尿病の予防とコントロール」、「断食循環による癌の予防とコントロール」、「断食循環による脂肪肝の予防とコントロール」、「断食循環による慢性疾患の予防とコントロール」、「断食循環による高血圧の予防とコントロール」、「断食循環と健康長寿」などの論文を数十本発表し、優れた論文と評価されています。 また、『Discover』誌に「断食循環健康予防技術」が掲載され、「断食循環は医学発展の未来方向と合致する」と題されているようです。

個人的にはこの合宿中、先生が「断食循環(気功断食)は未来医学の方向」であると仰ったことが一番心に残っています。すなわち、病気の治療は「積極的に自分が自分に対してすること」であり、自己治療とは、元々持っている潜在的な自己修復能力を使うことです。断食循環は断食中の制限が少なく、理論と安全性がある中で断食ができます。現代は、食事は栄養を取るためではなく、口が食べている状態(要は目が欲するから食べる、というような食べすぎの状態)であり、食べれば食べるほど胃も大きくなり必要以上に食事をとることをやめられないスパイラルになっています。未来の医学は、「皆が自分の医者になる」こと。気功断食することで人間が元々持っている窒素を使う能力を発揮できるようになれば、病気の予防、自己管理ができ、食欲が低下し健康を保つことができます。

私自身も医者の端くれとして、「医者や病院に依存する医療からの卒業」と、「自分で創った病気だからこそ治す力も自分にある」と思っていますので、断食は古くて新しい、医療の大事な要素のように感じました。

また、気功断食では、あらかじめ減食しておくことや回復食の決まりがないこと、そして断食中に汗をたくさんかくために積極的な運動をすること(結果、不純物が燃焼し氣の吸収能力が回復し元気に活動できるという理論)も他の断食と異なるかと思います。

実際に、断食を初めて経験して、3日目に、倦怠感や強い眠気といった症状が出現し続けられるかどうか多少不安になりましたが、4日目以降は回復し、普段しない量の運動ができ、普段からかけない汗もかけるようになってエネルギーの供給源や体質が変化したように感じました。断食終了直後は、食事に対する欲望から目は食べたがるのですが少量で満足する状態。その後は1日1~2食、量は以前の半分程度で満足しており、「食べても食べなくてもいい」感覚に近いかと思います。

そして断食とともに郭先生が38年前から提唱されている「大道自然功」という、”自然”になって健康であることの秘訣もとても興味深いものでした。

それは、「常笑」と、以下の八つの動作のことです。3か月から半年継続することで変化が始まるとのことでした。「常笑」というのは常に微笑んでいる表情をするということ。眠るときも微笑む顔で寝るようにするとよいようです。そして、1日2~3回は大笑いすること。笑うことで悩みや怒りが解放でき、しわがなくなり顔面のリラックスになります。日頃から意識したいところです。8つの動作は、

  • 跳:とぶ。心肺機能を高める、排便を促す
  • 蹲:しゃがむ。全身の筋骨格に作用、血流を促す
  • 拍:身体を叩く。自律神経の調整、神経衰弱、めまい、頭痛などによい
  • 伸蹬:足首を曲げ伸ばす。関節の老化予防
  • 泡脚:足湯。体を温め血流の改善
  • 汗:汗をかくこと。排毒、美容の効果
  • 喊:声を出す、歌を歌う。経絡や内分泌にも影響。
  • 呼吸:逆呼吸と腹式呼吸、体呼吸とある。意識と氣と血液の循環を促す。

詳細は割愛しますが、いずれも日常生活に今すぐに取り入れられるものです。歩くよりも飛ぶことの方を勧められておりました。

断食に関する投稿は以上です。断食は安全に行わないと心身の不調や命に関わることもありますので、ご興味を持たれた方はまずは専門家の元で行ってみてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

自然療法

前の記事

断食について